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no.100
シティホテル
13.9  九月も終わるころ、娘がインターネットで「敬老の日」のプレゼントに、シティホテルを予約してくれた。海浜幕張駅にほど近い「ホテル ザ・マンハッタン」であった。

 私はホテルの雰囲気や居心地が大好きで、友人と食事には、たまに出かけている。そんな私は出来れば一泊してみたいなあ、と常々思っていた。

 それを実現させたのは一昨年の十二月半ばであった。親しい友人Fさんと、竹芝の「インターコンチネンタル」ニ一泊したのだ。

 十六階の部屋の大きな窓いっぱいに魅惑的なレインボーブリッジと東京湾が広がっていた。私は刻一刻と移りゆく冬の海を飽かず眺め続けた。そして日も暮れかけた頃、タクシーで六本木ヒルズに向かった。途中、クリスマスイルミネーションで華やかな丸の内界隈、東京タワー辺りを回ってもらい、都心の夜を満喫した。

 そして六本木ヒルズでちょっぴり値の張る食事をすませ、ホテルに戻ってレインボーブリッジを眺めながら、おしゃべりを楽しんだ。都会のホテルならではの大人の雰囲気に浸って、本当に快適な時間であった。

96.1  それ以来、今回、娘が予約してくれたホテルではある。一人で宿泊するのははじめてだったけれど大して気負いもせず、何の不安もなかった。部屋は十七階の百七十四号室、私の大好きな海がどこまでもどこまでも広がっていた。彩雲を従えてくれてゆく秋の海!なんて素晴らしいのだろう。私は日が落ちるまで眺め続けた。

 気ままにベッドに寝そべって背中を思いきり伸ばすと、日頃のストレスが抜けてゆくような気がした。

 ホテルはモダンな作りで暖かい色調の調度品が配され、心からリラックスすることができた。中庭のしつらえが、また心憎い程美しく秋の花々が咲き乱れていた。プラス、食事も目と舌を十分満足させてくれた。

 夕食後、涼しい風に誘われてホテルの周りを一周してみた。すると、中庭側の入り口に高さ一メートル程のブロンズ製の「イノシシの像」が鎮座していたのだ。こんな所で、まさか「イノシシ」に出会うなんて!何しろ私、干支が「イノシシ」なんだもの。私はなんだかうれしくなって「イノシシ君よろしくね」と言って「イノシシの鼻」を何度もなでてしまった。本当にびっくりした。

 と言うわけで、思いがけない娘夫婦からのプレゼントに大感激している。
 二人なら二人ならではの楽しみが、ひとりであっても臆することなく非日常の時間と空間をエンジョイできる心があれば、こんな楽しい事はないと思う。贅沢かな?

 友人に話してみたら「一人で泊まるなんて考えられないわ。どうしていいか分からないわ」と言った。

 でも、そんなの勿体ない。チャンスがあればまた泊まりたいし、こんなプレゼントなら何回あっても良いなあ!


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