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no.108
二月十八日(日)
72.1  二月十八日、東京マラソンの日、朝方は冷たい雨がかなり降っていた。

 その日、いつも配達される時間に新聞が届かないので、八時半頃夫が販売店に電話をした。数分してオートバイの音が聞こえた。

 配達の若者は「申し訳ありません。まだ配達の途中だったので」と言って恐縮していた。若者のビニールのカッパは雨にぬれ、二、三度咳をした。

 私はその様子を見ていて胸が熱くなった。もしこれが私の息子だったら、雨にぬれて肺炎にでもなったらどうしよう、といてもたってもいられないだろうなと。

 最近の広告の量はものすごく多い。これを全部見る人がいるのだろうか。資源の無駄だなあ、といつも思っている。そんな重くてかさばる新聞を配達するのは相当厳しい労働だと思う。誰かがやらなければならない重要な仕事ではあるけれど、これも格差社会の一端だなあと思った。

 その日もテレビでたまたま格差問題を取り上げていた。でも机上の空論ばかりでは何も解決しない。まだ世界各国をみても格差のない国は存在しない。これも現実なのだが、だからといって何の対策もせず放置する事は許されない。格差の渦中にいる人々はどんなに苦しいだろう。

 一方、フジテレビでは、東京マラソンの中継があった。三万を越す市民ランナーが東京の名所を走り抜けた。それも96パーセント以上が完走したという事実に私は庶民の底力をみたような気がする。こんなにも多くのランナーが雨の中を駆け抜ける体力、気力、時間を持っているのかと驚いた。少なくともこれらの人たちは格差社会の底辺そうではないだろう。かつて、三万人を超す市民が集結した事があっただろうか!

 このエネルギーを集結したら何か世の中を変える力になるのではないか、とさえ思った。
 
 同じ日に、二つの事実を目の当たりにして思わず書いてしまった。


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