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no.110
靖国神社にて
70.5  春の嵐の翌日、散りぎわの桜を見たくて、靖国神社を訪れた。北風はまだ冷たかったけれど、かなりの人が出ていた。
 人の流れに任せてついていくと、テレビなどで知っていた遊就館があった。私は興味があったので入ってみた。玄関ホールは入場券を買わなくても見学する事が出来たからである。
 広い玄関ホールンミは戦闘機、ゼロ戦や、近代国家を象徴するD51機関車などが展示されていた。二階は、特別陳列質、映像ホール、展示室、休憩室などがあり見学したかったけれど、あまりに大勢の人なので遠慮した。
 資料によると、遊就館は明治十五年我が国最初で最古の軍事博物館として開館したものであるとの事。その目的は、近代国家成立のため避け得なかった多くの戦いで尊い命を捧げられた英霊を慰霊顕彰することであり、近代史の真実を明らかにすることであるとあった。
 たまたま訪れた靖国神社で、思いがけず遊就館に出会えて、その存在の目的を知ることが出来て幸運であった。
 又靖国神社は、新しい国づくりの中で起こった明治維新で亡くなった人々のことを、いつの世までも伝えるために、明治天皇が明治二年六月、「招魂社」という名前で東京 九段にお建てになったことを、そして明治十二年、今の「靖国神社」の名に改められたことを資料で知ることができた。
 戦後六十年以上が経過し、未だに国内外で靖国神社参拝が取りざたされている。しかし靖国神社の存在の真の目的を知ることにより、その事実を受け入れることができれば、お互いの理解が得られるのではないかと思うのだ。もちろん複雑な事情が介在していることは十分承知しているけれど。
 「知るは楽しみなり」という言葉がある。これからも私は知る楽しみを一つでも多く味わいたいと思う。桜の美しい境内を行き交う人々。少なくとも近代国家成立のために戦って、命を落とした人々に敬意を表したいものである。
 最後に境内のお土産物屋に立ち寄ってみた。すると何と「晋ちゃんまんじゅう」が目に入った。現代の平和な社会を象徴するような、眉毛の下がった阿部総理の、イラストの掛け紙に思わず笑ってしまい買い求めた。
 けれど正直言って「晋ちゃんまんじゅう」はおいしくなかった。もう少しおいしくても良いのに!現代の混沌とした社会のような複雑な味がした。


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