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no.91
話をしようね
 母の日に娘からプレゼントが届いた。きれいにラッピングされた巾着型の袋は、赤とピンクのリボンで帯締めのように結ばれていた。

 わくわくしながらリボンをほどくと、ベージュ色の手触りの良いレースの手袋、扇子、涼しそうなブルーの花模様のタオルハンカチ、図書券などが入っていた。

 その他、今年、高校、中学に入学した制服姿の二人の孫の写真とメッセージがあった。

 私が一番感動したのは、娘からのメッセージカードに書かれていた次のような言葉であった。

 概要は「これからもパワフルな人生を送って下さい。、、中略、、大したことはしてあげられないけど、これからも沢山話をしようね」

 娘は何気なく書いたのかもしれない。でも私は「話をしようね」という言葉に胸が熱くなる思いであった。

 結婚して以来、娘は週一回電話をかけてくる。取り決めたわけでもないのに必ずかかってくるのだ。そして一週間分のあれこれを逐一報告してくれる。私が聞きだすというのでなく思いの丈をぶつけてくるのだ。

 娘は小さいころからバレエを習っていたが資格を取り、チャンスがあって運良くバレエ教室で教えているという日常がある。だから今の私とは比べものにならない忙しい毎日なのだ。きっと、そんな多忙な日々の中で私と話をする時間はホットできるのだろう。

 あれこれをぶつけてくる娘と受け止める私。お互いを思いやる素敵なひとときなのかもしれない。

 一方、電話といえば近年「ケータイ」の出現によって人間関係が大きく変わっているようだ。電車の中でメールをチェックする若者らは、すっかり自分の世界に入り込んで他人の存在など頭に無い様に見える。メールの中の短い言葉で会話しているのだろうが、間口が広がった分、人間関係が浅くなったとも言えると思う。だから彼らは常にメールをチェックしていないと不安になるらしい。

 しかし現代人にとって「ケータイ」はもはや必須のコミュニケーションのツールとして積極的に使いこなす必要があるらしいのだ。

 そういえば最近、娘や息子に持たされたと言って、「ケータイ」をバッグに入れている友人が何人かいる。確かに持っていれば便利かもしれないが、私はもういいわ。

 どの時代に生きても社会の変化について行くのは大変だ。固定電話であれ、「ケータイ」であれコミュニケーションのツールとして豊かな人間関係を築いていきたいものだ。


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